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2026
05/11

生前贈与とは?遺留分・特別受益のトラブルを防ぐ正しいやり方と相続税対策をするときの注意点を解説

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生前贈与は年間110万円の非課税枠があり、相続税対策として有効です。しかし、生前贈与は、特別受益として遺産分割の際に遺産に持ち戻されることとなることや遺留分侵害額請求を受ける原因となり、深刻な親族間トラブルを招く恐れがあります。加えて、2024年の税制改正により、生前贈与の遺産への持ち戻し期間は7年に延長された結果、相続税の加算対象になる生前贈与の範囲が広くなりました。安易な贈与が結果として相続税負担を増大させることにもなりかねません。複雑な相続手続きをご自身で進めるとトラブルになりかねないため、専門家である弁護士に相談しましょう。

この記事の監修者

弁護士 山村真登

弁護士・ニューヨーク州弁護士

2013年12月
弁護士登録 山村忠夫法律事務所勤務開始
2018年5月
ニューヨーク大学ロースクール(New York University School of Law (アメリカ合衆国ニューヨーク州))LL.M修了
2019年10月
ニューヨーク州弁護士登録

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弁護士 山村真登
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弁護士 山村真登

本記事では、生前贈与の基本的な仕組みから、近年の税制改正による持ち戻し期間の延長、さらに特別受益や遺留分といった相続上の重要論点まで、実務上の注意点を整理しました。生前贈与は有効な相続対策となり得る一方、進め方を誤ると相続人間の紛争や税務上の問題を招くリスクもあります。特に、不動産や有価証券を含む場合や、相続人間の利害関係が複雑なケースでは、早期に専門家へ相談することが重要です。山村忠夫法律事務所では、相続分野に注力し、生前贈与の設計から紛争対応まで一貫してサポートしております。京都を中心に、実務経験に基づいた丁寧な対応を心がけておりますので、お気軽にご相談ください。

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生前贈与の基礎知識と非課税枠の正しいやり方

被相続人の死亡によって相続が開始すると、相続税が発生します。相続税は、被相続人の死亡に伴って財産の移転が生じた場合に課税される税金です。
また、被相続人が生前に自身の財産を贈与(いわゆる「生前贈与」)によって移転することによって相続税を逃れられるとすると不当に相続税を免れる結果となりかねません。そこで、このような課税回避を防ぎ、相続税の機能を補完するために、生前贈与には、贈与税が課税されています。
 
贈与税は、このように相続税を補完する役割を有することから、相続税と比較して基礎控除額が小さく、税率も高く設定されています。他方で、贈与税は原則として1年ごとに課税される制度(これを「暦年課税」といいます)であるため、贈与の金額や時期を調整することで、税負担を軽減できる場合もあります。また、一定の場合にはその贈与財産が相続税の課税対象に取り込まれるため、常に相続税を免れることができるわけではありません。
なお、相続税は「3000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除額を超える場合に課税されます。また、贈与税額は、原則として「(贈与を受けた金額-110万円)に税率を乗じ、一定の控除額を差し引く方法」により算定されます。
 
被相続人の死亡によって相続が開始すると、相続税が発生します。相続税は、被相続人の死亡に伴って財産移転が生じた場合に課税される税金です。
しかし、被相続人が、生前に自身の財産を贈与(これを「生前贈与」といいます。)によって移転していた場合、相続税の課税を免れることができます。そこで、このような課税回避を防ぎ、相続税の機能を補完するために、生前贈与には、贈与税が課税されています。
 
贈与税は、相続税の機能を補完するという役割を担っていることから、相続税に比べて基礎控除額や税率の点で負担が大きくなります。しかし、贈与税は、1年ごとの課税(これを「暦年単位課税」といいます)であるため、贈与の金額や時期を調整することで、税負担を軽減することが可能な場合もあります。

なお、相続税は3000万円+600万円×法定相続人の人数の基礎控除を超えたときに課税されます。そして、贈与税額は、{(贈与を受けた金額)ー110万円(基礎控除額)}×税率ー控除額で計算されます。

年間110万円までは贈与税がかからない暦年課税の仕組み

暦年単位課税とは、1月1日~12月31日までの1年間に贈与された財産に対し、贈与税を課税する制度です。1年間に受け取った財産の合計額が、受贈者(もらう人)1人あたり合計110万円以下(基礎控除額)であれば非課税であり、申告する必要はありません。そして、受贈者を単位として計算されるため、誰から贈与を受けたかは問われません。
 
また、暦年課税での贈与のやり方に決まりはありません。しかし、例えば、父母から子への贈与や祖父母から孫への贈与等、親族間で贈与が行われる場合に現金の手渡しで贈与が行われることも多いです。しかし、このような場合、客観的な証拠が残らず贈与であると証明することが困難な場合もあります。また、親が子の名義で預金を積立てているような場合にも、贈与であると証明することが難しくなります。
そのため、基礎控除額である110万円の範囲内で生前贈与を行おうとする際は、取引履歴の残る銀行送金が望ましいといえます。

不動産・住宅取得資金の贈与に使える特例措置

夫婦間における自宅不動産の譲渡には贈与税の配偶者控除、子どもや孫への住宅購入資金の提供には住宅取得等資金の非課税特例が活用可能です。

通称「おしどり贈与」と呼ばれる配偶者控除は、居住用不動産や購入資金の生前贈与を受けたときに、最大2,000万円を課税価格から差し引ける制度を指します。この制度は、夫婦間には、資産形成に配偶者の貢献があることが多く、また配偶者に対する生活保障の必要があるとの考えに基づくものです。
婚姻期間20年以上の夫婦が対象で、贈与の翌年3月15日まで居住の用に供し、かつその後引き続き居住の用に供する見込みであることが必要です。
 
また、住宅取得等資金の贈与の特例とは、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、居住するための住宅用の家屋の新築、取得又は増改築のための資金を取得した場合、一定の要件を満たせば贈与税がかからない制度です。非課税額は、対象となる住宅(新築か建築後使用されたことのある家屋か等)や耐震性、バリアフリー性等によって異なります。

【要注意】生前贈与が特別受益・遺留分となり揉めるケース

特別受益とは、生前贈与や遺贈(遺言に基づく贈与)などによって一部の相続人だけが得た利益です。特定の相続人のみが得た特別受益を考慮せずに相続を行うと、相続人間で不公平が生じます。そのため、被相続人から生前に「遺産の前渡し」があったとして、特別受益は遺産に持ち戻されます。そして、持ち戻した後の遺産を相続分に従って分割することになります。

特定の相続人への資金援助が遺産の前渡しとみなされる背景

特別受益の対象となるのは、遺贈、婚姻や養子縁組の贈与、生計の資本としての贈与です。生計の資本としての贈与には、生活費の援助や不動産の贈与、不動産の購入資金援助、学費の援助等が含まれます。

例えば、「長男だけ家を建ててもらった」といった不公平な生前贈与がなされていたときは、遺産分割時に他の兄弟姉妹から、「その分を差し引いた財産しか渡さない」と主張される恐れがあります。
 
もっとも、上記で述べた贈与が全て特別受益として認められるわけではありません。特に、生計の資本として贈与が行われた場合、援助の金額や被相続人の資産状況、被相続人と相続人の関係性等から、扶養義務の範囲内や慣習の範囲内として行われたものであるとして、特別受益にはあたらないと判断されることがあります。

もらいすぎると遺留分侵害額請求されるリスクがある

多額の生前贈与により遺産がほとんど残っていない場合や、法定相続分を大幅に超える相続分が指定されており、それに基づいて遺産分割が行われた場合、他の相続人から遺留分(法律で認められた最低限の遺産の取り分)を侵害されたとして、遺留分侵害額請求を受けるケースがあります。
 
遺留分侵害額請求ができる権利者は、被相続人の子どもや孫(養子縁組も含む)、配偶者、父母や祖父母等の直系尊属です。被相続人の兄弟姉妹は、遺留分侵害額請求を行うことはできません。そして、遺留分侵害額請求の時効は、相続の開始及び遺留分の侵害の事実を知ってから1年となっており、これを過ぎると請求を行うことができません。
そのため、遺留分侵害が疑われる場合は、専門的な遺留分の算出に詳しい弁護士への速やかな相談が必須と言えます。
 
関連記事:遺留分侵害額請求とは?遺留分制度や対象となる財産、計算方法、請求手順や注意点などを分かりやすく解説

税制改正による期間延長がもたらす生前贈与加算の7年ルール

これまでの相続税対策では、「亡くなる前3年以内に行った贈与は、相続税の計算上、相続財産に加算される」というルールがありました。しかし、2024年1月の税制改正により、この持ち戻し期間は最終的に「7年」へと延長されることになりました。
もっとも、この延長は一度に適用されるわけではなく、以下のとおり、相続の発生時期に応じて段階的に延長され、最終的に7年となる仕組みとなっています。
 
2024年1月1日~2026年12月31日・・・相続開始前3年間
2027年1月1日~2030年12月31日・・・2024年1月1日~相続開始日
2031年1月1日~・・・相続開始前7年間
 
そのため、従来のように贈与税の基礎控除(年110万円)を活用して計画的に財産を移転していた場合であっても、亡くなる前一定期間内に行われた贈与は、相続財産に加算される可能性があります。
 
もっとも、延長された期間(4年目以降)については、合計100万円までは相続財産に加算されないという調整措置も設けられています。いずれにしても、従来のような亡くなる前の駆け込み贈与による節税効果は、制度改正により制限されることになりました。

そのため、生前贈与による相続税対策を検討する場合には、できるだけ早い段階から計画的に行うことが重要です。特に、制度改正により持ち戻し期間が段階的に延長されている点を踏まえ、中長期的な視点での対策が求められます。

親族間の紛争を未然に防ぐ、生前贈与の正しい進め方

生前対策として生前贈与を行う場合には、後日「贈与ではない」と争われることのないよう、客観的な証拠を残しておくことが極めて重要です。
また、あらかじめ親族に対して自身の意思を明確にしておくことで、相続発生後の紛争を予防することにもつながります。

さらに、これらの対応は、税務署からの調査において贈与の成立を説明・立証する上でも重要な意味を持ちます。

必ず贈与契約書を作成し証拠を残す

「言った・言わない」の争いを防ぐため、親子間であっても贈与契約書を作成しておくべきです。数年、数十年経てば記憶は曖昧になるため、客観的な証拠を残しておくことが重要です。また、 贈与時に本人の判断能力がしっかりしていたとしても、認知症により意思能力が欠けたりして、当時の合意を立証する手段が失われる恐れがあります。
税務の観点からも、単なる名義変更や形式的な資金移動ではなく、実質的な贈与があったこと(贈与の意思・受贈の事実)を示す資料の有無が重視されます。

遺言書と組み合わせて持ち戻し免除の意思を示す

相続においては、生計の資本としての生前贈与は原則として特別受益として遺産に持ち戻して計算されます。もっとも、被相続人が生前贈与は考慮せずに分けてほしいと考えていた場合、この原則をそのまま適用すると、かえって被相続人の意思に反する結果となることがあります。
 
そこで、遺言書において特別受益の持ち戻しを免除する旨の意思表示を明確にしておくことが有効です。これにより、相続人間の不公平感や紛争の発生を抑制することが期待できます。

なお、遺言書において遺留分侵害額請求をしない旨を記載したとしても、遺留分権利者の法的権利そのものを排除することはできませんので注意が必要です。

こんな生前贈与は無効?弁護士に相談すべきトラブル事例

判断能力がなければ、生前贈与は無効とされる可能性があります。トラブルの火種があるときは、揉める前に専門家である弁護士に相談しましょう。

認知症等による意思能力喪失下での贈与は無効になる可能性がある

認知症等により判断能力(意思能力)を欠く状態で行われた贈与契約は、法律上の意思表示として有効とは認められず、無効となる可能性があります。被相続人が認知症であったにもかかわらず生前贈与が行われていたことが判明した場合には、当該取引の有効性自体が問題となります。

そのような懸念がある事案の場合、弁護士は介護記録、医療記録、預金口座の取引履歴や資金の流れを精査し、当該資金移動が贈与として成立しているか、あるいは無効な取引であるかを検討します。
 
その結果、贈与が無効であると評価される場合には、資金を受領した者に対して、不当利得返還請求(民法703条)を行うことが考えられます。不当利得返還請求とは、法律上の原因なく利益を受けた者に対し、その返還を求める制度です。
 
関連記事:【弁護士が解説】生前贈与が無効と主張できるケースとは?財産を取り戻すための法的手段と証拠の重要性

弁護士と税理士が担う役割の違いや、適切な相談先の選び方

生前贈与や相続をめぐってトラブルが生じそうな場合、「誰に相談すればよいのか分からない」と感じる方も少なくありません。
 
一般的には、
-相続人間での紛争や返還請求など、トラブル対応が必要な場合は弁護士
-贈与税・相続税の計算や申告など、税務面の検討は税理士
への相談が適しています。
 
もっとも、両者の問題が密接に関連するような場合には、弁護士と税理士が連携して対応することが必要なケースもあります。

 
<税理士と弁護士の違い>

資格者 専門分野と担う役割
弁護士 遺留分侵害額請求等の法的権利の行使、契約書作成、遺産分割協議の交渉・調停・審判への対応
税理士 遺産に算入される不動産や有価証券の評価額算出、税額計算、申告の実務

生前贈与のトラブル対策は京都の山村忠夫弁護士事務所へ

生前贈与は単なる節税対策にとどまらず、大切な財産や想いを次の世代へ円滑に承継するための重要な手段ですが、法的・税務的な配慮を欠いたまま進めてしまうと、かえって相続人間の争いを招く原因となりかねません。特に、特別受益や遺留分が問題となる場合や、不動産・有価証券などの評価額の算定を伴うケースでは、相続分野に関する専門的知識と実務経験が不可欠です。
 
京都で生前贈与に関するトラブルの予防や解決をご検討の方は、相続分野に注力している山村忠夫弁護士事務所へご相談ください。当事務所では、遺留分を踏まえた生前贈与のプランニングや特別受益・遺留分を巡る紛争対応、不当利得返還請求や損害賠償請求への対応など、相続に関連する幅広い問題に対応しており、交渉の代理から家庭裁判所における調停、さらには訴訟手続に至るまで一貫してお任せいただけます。
 
遺産分割や遺留分、生前贈与に関するお悩みについては初回の無料相談をご利用いただけますので、お電話またはWEBサイトの専用フォームからお気軽にご予約ください。相続に関する問題は早期に適切な対応を行うことで紛争の発生や拡大を防ぐことができる可能性がありますので、あなたの大切な権利とご家族の関係を守るためにも、まずは一度ご相談ください。

弁護士に相談すべき理由

  • ・相手方との交渉や調停・審判の代理人となってもらえる
  • ・トラブルになりそうな可能性を察知し、事前に対策が打てる
  • ・有利な結果を獲得しやすい
  • ・特別受益額や持ち戻し請求の計算を正しく行ってもらえる
  • ・遺留分侵害額請求を行う場合は、資料作成から提出まで対応してもらえる
  • ・面倒な法的手続きを全て任せることができる

他の相続人が特別受益を認めない場合は、トラブルになる前に弁護士に相談するようにしましょう。

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